ウィルムス腫瘍(腎芽腫)は子どもに多い腎臓のがん
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)は、主に子どもに発症する腎臓のまれながんです。片方または両方の腎臓に腫瘍ができるのが特徴で、早期発見・早期治療によって高い治癒率が期待できます。症状や治療法について正しく理解しておくことが大切です。
目次
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)とは
ウィルムス腫瘍(Wilms tumor)は、腎臓に発生するまれな悪性腫瘍で、「腎芽腫」とも呼ばれます。子どもに多く見られるがんの一種で、主に5歳以下の幼児に発症することが多いとされています。まれに成人にも発症することがありますが、圧倒的に小児に多い疾患です。片方の腎臓だけでなく、両方の腎臓に同時に腫瘍が生じるケースもあります。
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)の原因とリスク因子
ウィルムス腫瘍の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、特定の遺伝的な状態や先天性異常(生まれつきの体の形成異常)があると発症リスクが高まることが知られています。たとえば、虹彩(目の一部)が形成されないアニリジアや、半身肥大症などの先天性疾患を持つ子どもは注意が必要です。リスクが高いと判断された子どもは、8歳になるまで3か月ごとに定期的なスクリーニング検査を受けることが推奨されています。
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)の主な症状
ウィルムス腫瘍では、以下のような症状が現れることがあります。
- お腹(腹部)にしこりや膨らみを感じる
- 尿に血が混じる(血尿)
- 原因不明の発熱が続く
- 腹痛や食欲の低下
- 吐き気や嘔吐
- 高血圧
特にお腹のしこりは、入浴やおむつ替えのときに保護者が気づくことも多いです。症状に気づいたら、自己判断せず、早めに医療機関を受診することが重要です。
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)の診断方法
診断には、腎臓や血液を調べるさまざまな検査が行われます。超音波検査(エコー)やCTスキャン、MRIなどの画像検査で腫瘍の位置や大きさを確認します。また、血液検査や尿検査によって全身の状態を評価します。多くの場合、手術によって腫瘍を直接確認・摘出することで最終的な診断が確定します。
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)の治療法
ウィルムス腫瘍の治療は、主に以下の方法が組み合わせて行われます。
- 手術(外科的切除):腫瘍を診断すると同時に摘出することが多く、治療の中心となります。
- 化学療法(抗がん剤治療):がん細胞を薬で攻撃する治療法で、手術の前後に行われることがあります。
- 放射線療法:がん細胞に放射線を当てて死滅させる治療法です。
- 生物学的療法(バイオセラピー):体本来の免疫機能を高め、がんと戦う力を強化する治療法です。
治療方針は腫瘍の進行度(ステージ)や子どもの年齢・全身状態によって異なります。専門の医療チームによる総合的な判断が必要です。
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)の予後と予防
ウィルムス腫瘍は小児のがんの中では治療成績が比較的良好とされており、早期発見・適切な治療によって多くの子どもが回復しています。遺伝的リスクがある場合は定期検診によって早期発見につなげることが重要です。お子さんのお腹のしこりや血尿、原因不明の発熱などが気になる場合は、速やかに小児科や専門医療機関にご相談ください。
