外陰部の病気(外陰部障害)の原因・治療法を解説
外陰部(がいいんぶ)とは、女性の生殖器の外側にある部分のことです。この部位にはさまざまなトラブルが起こることがあり、かゆみや痛み、赤みなどの症状が現れることがあります。原因は多岐にわたるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関に相談することが大切です。
目次
外陰部の病気とは
外陰部(vulva)とは、女性の生殖器のうち、体の外側に見える部分全体を指します。具体的には、大陰唇・小陰唇・陰核(クリトリス)・膣の入り口などが含まれます。この部位はデリケートな粘膜や皮膚で覆われているため、さまざまな病気やトラブルが起きやすい場所でもあります。外陰部に生じる障害は、炎症・アレルギー・感染症・腫瘍・慢性的な痛みなど、原因や種類が異なる複数の状態を含んでいます。
主な外陰部の病気の種類
① 外陰腟炎(外陰炎・腟炎)
外陰部や腟が炎症を起こした状態を「外陰腟炎(vulvovaginitis)」と呼びます。細菌・カンジダ(真菌)・トリコモナスなどの病原体による感染が原因となることが多く、おりものの変化、かゆみ、腫れ、不快なにおいなどの症状が見られます。性感染症が原因となる場合もあります。
② アレルギーや刺激による皮膚トラブル
石けん、洗剤、ナプキン、下着の素材、ローションなどに含まれる成分が刺激となり、外陰部の皮膚に炎症やかぶれを引き起こすことがあります。これを「接触性皮膚炎」といいます。香料や防腐剤が含まれた製品の使用に注意が必要です。
③ 外陰がん
外陰部に発生するがんで、比較的まれですが、早期発見・早期治療が重要です。持続するかゆみ、皮膚の色の変化、しこり、ただれなどが続く場合には、自己判断せずに婦人科を受診することが大切です。
④ 外陰痛(vulvodynia)
明らかな感染や炎症がないにもかかわらず、外陰部に慢性的な痛みや灼熱感(焼けるような感覚)が続く状態を「外陰痛(vulvodynia)」といいます。原因が特定しにくく、日常生活や性生活に大きく影響することがあります。複数の診療科(婦人科・皮膚科・ペインクリニックなど)での連携治療が検討されることもあります。
外陰部の病気の主な症状
- 外陰部の赤みや腫れ
- 強いかゆみや不快感
- 痛みや灼熱感
- 皮膚のひび割れや潰瘍(ただれ)
- おりものの変化(色・量・においの異常)
- 排尿時や性交時の痛み
外陰部の病気の治療法
外陰部の病気の治療は、その原因によって大きく異なります。感染症が原因であれば抗菌薬や抗真菌薬が使用されます。アレルギーや接触性皮膚炎には、原因となる物質を避けることと、ステロイド外用薬などが用いられることがあります。外陰痛には、局所麻酔薬、抗うつ薬、理学療法などさまざまなアプローチが試みられます。外陰がんの場合は、手術・放射線・薬物療法などが検討されます。いずれの場合も、自己診断や市販薬だけで対処しようとせず、適切な診断を受けることが回復への近道です。
外陰部の病気のケアと予防
- 外陰部を洗う際は、刺激の少ない無香料の石けんや水で優しく洗う
- 通気性の良い綿素材の下着を選ぶ
- ナプキンや衛生用品はこまめに交換する
- 自己判断で市販薬を長期使用しない
- 定期的な婦人科検診を受ける
外陰部に気になる症状(かゆみ・痛み・赤み・ただれなど)が続く場合は、恥ずかしがらずに婦人科や皮膚科などの医療機関に相談するようにしましょう。早期の受診が、症状の悪化を防ぐことにつながります。
